メジャーセブンスコードでペンタトニックスケールを弾く①
最近「星空のディスタンス」が再び注目されているようです。
池袋のギター教室、Funギタースクールです。
以前、『ペンタトニックスケールのポジションの把握』という記事を書きましたが、その続きでペンタトニックスケールの有用性を書いておきたいと思います。
音楽理論や楽典を学びたい方、アドリブ演奏をやってみたい方向けの内容です。
色々なギター教則本に載っていることなので、真新しい内容ではありませんが、知っておくと便利です。
FM7のコードで、Aマイナーペンタトニックスケールを弾く
マイナーペンタトニックスケールとは、
完全1度、短3度、完全4度、完全5度、短7度
の5音から構成される音階のこと…なんですが、、いきなり「完全」とか出てくると硬い感じがするので、馴染みのある英語表記に直しますと、
Root、m3rd、P11th、P5th 、m7th
の5音で構成させるスケールです。(え、変わってない??)
ちなみに4度はテンション表記の11thとしました。
もう少し端折って表記するならば、P11th→11th、P5th→5thとして、
Root、m3rd、11th、5th 、m7th
となります。
教則本など、一般的にはこれで書かれてることの方が多いかもしれません。
♭、♯が付くときだけ♭5th、♯11thなどと書きます。
一方、「長」「短」の「M」「m」は省略せずに書かれます。
ペンタトニックスケールは、ロック、ポップス、ブルースのソロや、J-POPの歌のメロディまでありとあらゆる音楽で耳にする音階です。
必ず聞いたことがあると断言できるくらい、よく使われています。
素敵な笑顔
この動画で弾かれているのがAマイナーペンタトニックスケールです。(Amコード上で)
AマイナーペンタトニックスケールとFM7コードの共通音
Aマイナーペンタは、音名で言うと、A、C、D、E、G、の5音です。
ドレミで言うと、ラ、ド、レ、ミ、ソ、となります。
一方、M7コードは、Root、M3rd、P5th、M7thですから、FM7を音名で言うと、F、A、C、E、の4音です。
ドレミで言うと、ファ、ラ、ド、ミ、です。
これらを並べると、
AmP=ラ、ド、レ、ミ、ソ
FM7=ファ、ラ、ド、ミ
並べ替えると、
AmP= ラ、ド、レ、ミ、ソ
FM7=ファ、ラ、ド、 ミ
ラ、ド、ミの音が一緒なので、FM7の3度(=M3rd)、5度(=P5th)、7度(=M7th)の音と、AマイナーペンタトニックスケールのRoot、m3rd、P5thが共通している、ということがわかります。
AmPの残りのレ、ソ、ですが、レはFにとっての13th、ソはFにとっての9th、なので、つまるところFM7上でAマイナーペンタトニックスケールを弾くと、Fからの視点では
のサウンドになるわけです。
コード表記にするならばFM7(9,13)で、ルート以外を単音で弾いていることとイコールです。
FM7にとってA音はM3rdの音ですから、つまり、M7コードのM3rdをルートとしたマイナーペンタトニックスケールを弾くと、コードトーンの3度、5度、7度+テンションの9th、13thを弾いてることになるという結果になります。
この発想、〇M7コードで3度をルートとしたマイナーペンタトニックスケールを弾く、というのは非常によく使われる手法です。
M7コードが出てきた時の第1~2候補くらいの頻度です。
弾いた感じは、
『ルートを除いたほぼほぼコードトーン ~ナチュラルテンションを添えて~』
的な雰囲気になります。
この動画の3:05~4:05で解説しているのがまさにこれ、「Minor Pentatonic 3rd of Maj7」です。
動画ではGM7コードでBマイナーペンタトニックスケールを弾いていますね。
同じ人の別の動画。4:03~4:58の部分でCM7でEマイナーペンタトニックスケールを弾いています。
どちらも異弦同フレットを使ってトリッキーに聞こえるように弾いていますが、特別そうしなくてもサウンドします。
また、ジャジーに弾いていますがポップスやロックで歪ませて弾いても合います。
チョーキングも全然OKです。
カレーに例えると
カレーライスに例えるなら、このペンタトニックスケールはカレーライスの「ライス以外全部」、そしてコードトーンがカレールーの液体の部分だとすると、ナチュラルテンションは肉、じゃがいも、玉ねぎ、人参、といった、定番の具材です。
キャンプに行った時に、ライス(ルート)はベースの人が用意して(弾いて)くれているので、ギターは上の(具を含む)ルーの部分だけ作ればいいよ、ルートは別に弾かなくてもいいよ、というイメージです。
ギターもルートを弾くとライスonライス的な感じになるからね、という考え方です。
といっても、ルートを弾いてはいけないという意味ではなく、弾いてOKです。
M7コードでルートを弾く、というのは、カレーライスだけどお米がうまいからライス大盛りで食べちゃう感じですね。
でも、せっかくカレー作ったのにお米onlyだとカレーじゃなくなるので、お米以外のルーも盛り付けようね、的な。
余談ですが、他のテンションをカレーで例えるなら、♯11thは納豆、ほうれん草、なす、チーズ的な、人によってはアリだけど嫌いな人にとってはダメな、時と場合を選ぶテンション、他のオルタードテンション(♭9、♯9、♭13)などはパクチー、ナンプラー、ハバネロなんかの
「もう普通じゃ物足んない!!」
的なものをイメージしていただければ良いかと思います。
指板上での解釈
カレーの話に脱線してしまいましたが、話を戻します。
FM7の5弦ルート(小指)のコードフォームが見えているとすると、
着色されているところはテンションです。
3度と7度だけはわかりやすいようにMやmを付けてます。
こんな風に、M7コードの3度をルートとするマイナーペンタトニックスケール(5度をルートとするメジャーペンタトニックスケール)はよく使われて、日常会話のごとく出てきます。
慣れてくると、もはやスケール⇔コードフォームの変換すら発生しなくて、両方同時に見えてる、という感じになります。
でも当然同じように弾けるので、それはまた別の機会に。
音楽理論、楽典系の勉強は、手よりも頭を悩ませるような内容が多くなってしまいますが、一度理解すると指板上での見える景色がガラリと変わります。